平成18年度―教育系大学院受験体験記

「早めの準備が大切」

九州大学大学院人間環境学府教育システム専攻合格

今回、私がどのようにして合格を手にすることができたのか、詳しく書いていきたいと思います。

まず大学院で学びたいという気持ちは10年前からありましたが、具体的に何について学びたいかということを考え始めたのはH17の春でした。自分の卒業した大学の教官に頼み、自分のやりたいことを研究している先生を紹介してもらい、何度か議論するうちに研究対象が少しずつ明確になり、その先生からより自分の研究テーマに近い大学の専攻やそれに関する大学の教官を新たに紹介してもらいました。そんなやり取りを数回繰り返し、紹介して頂いた先生方とそれぞれ話をし終えたのが同年11月末でした。最終的に自分が学びたいと思った教官から翌H18の3月位までに研究計画書を見せて欲しいと言われ、それからH18の2月まではインターネットを駆使し、参考文献や先行研究の資料収集を行いました。

私は社会人ですが、研究に英語力が必要だと言われ、社会人入試でなく一般入試で受けなければなりませんでした。その時、インターネットでこの中央ゼミナール・ステップアップ・サポートの存在を知りました。

3月に教官に研究計画書を見てもらい、不充分な点について指摘してもらい、更に文献調査をすすめました。それと同時に、中央ゼミナールから送られてきた資料を参考にZ会の長文読解や旺文社の基礎構文の問題集等に取り組み、特に英語の添削と教育学の小論文も2週間に1回送りました。また大学の教官から授業で使っている文献を紹介して頂き、その本の内容をノートにまとめながら大まかに内容を把握しました。平日は仕事を終え帰宅するのが午後8時を過ぎており、それから急いで食事と入浴をすませ、12時すぎまで毎晩勉強し、朝は5時から6時半まで勉強しました。休みの日は、朝5時から夜中の12時まで、食事と入浴以外はとにかく勉強しました。そして願書提出ぎりぎりまで計画書をやり直し、8月始めには、中央ゼミナールから過去問を取り寄せました。8月から過去問を解く時に英語は、教育に関するものだったので、過去問を解けば解く程教育用語の単語を覚えるようになりました。また、教育の専門に関する小論の試験も共通性を見出す事ができ、すべてに共通するような内容の小論文を1本書いて、ほぼ丸暗記しました。

一番苦労したのは、英単語です。覚えてもすぐに忘れてしまうので繰り返し学習しました。

私のように仕事をしながら受験を希望している人に伝えますが、まず何を具体的に研究したいのか、2つ目にその研究はどこでできるのか、3つ目にその研究に携わっている教官と直接話をし自分を理解してもらうこと、これらを少なくとも受験の1年前には済ませておく事が大切です。そして最低1ヶ月前までには、数年分の過去問題を手に入れ、解いておくことです。とにかく計画を早めにかつ詳細にたてて1つ1つ確実に実行して下さい。そうすれば合格を手にすることができると思います。頑張って下さい。

「受験対策と諸注意」

東京大学大学院教育学研究科学校教育高度化専攻教職開発コース合格

受験校は早めに決めよう!!

志望大学院はできるだけ早めに決め、その大学院入試に特化した対策を講じることが重要である。つまりは、大学院で何を研究したいのか、その研究を行うにはどの教授が最適なのか、その教授はどこの大学所属であるのかを調べる。ということは、自分の関心領域に関する著書をある程度は読んでいなければならないことになる。また、その際、中ゼミの先生方や閲覧資料を大いに活用されたい。

過去問題分析

過去問題はできるだけ早い時期に入手する必要がある。大学でコピー可能なところ、販売しているところなど様々なので、早めに入手し、実際に解答してみること。その際、点数結果にこだわるのではなく、問題形式、問題内容を自分なりに分析することのほうがより大切である。この大学院ではどんな学生をほしがっているのかを見極めよう!中央ゼミにも過去問題が保存してあり閲覧可能であるので、大学でコピーまたは販売している年数以上の過去問題を収集し、問題傾向の経年変化から、次回の予想問題を自分なりに考えてみよう。これは案外楽しい作業である。

研究計画書作成について(作成は計画的に!)

志望校も決まり、過去問題にも一応目を通し、それらとほぼ同時進行で、自分の研究計画を練り直す。この研究計画書は、出願時に提出するという目的ではあるが、自分が入学してからの研究指針となる重要なものなので、早め早めに着手し、未完成でも良いから、高橋先生に相談、添削を受けること。ひとりよがりの突っ走りはしないこと。研究計画書は通常1,000字から1,200字程度(大学院によって異なるので、募集要項を早めに入手して確認をすることが必要であるが、最初は字数制限等にこだわらないで、とにかく『書いてみる』ことが大事。頭の中だけであれこれ悩んでいないで、文字として外化することで、見えなかったものが見えてくることがある。また、いろいろな人(在籍大学の教官、友人、中ゼミ生、親兄弟や赤の他人などなど)に読んでもらって、意見をもらい、『対話』をしてみよう!自分勝手に誤って決め付けていたことが見えてきたり、新たな視点から新たな何がしかが生まれることが非常に多く、有益である。

中ゼミでは、恥ずかしがっていないで、高橋先生をはじめ、同じ仲間と語り合うことが予想以上に良い効果をもたらす。他者に自分の研究計画を語る(説明する)ことで、口述試験(面接試験)の練習にもなるし、将来的には学会等で『語る』者になるわけだし、良い友達もできて一石三鳥以上である。私は、高橋先生、中ゼミの友人、院生の先輩などをはじめ、(ついでに)全くの門外漢である高校生(←被験者となるであろう対象者)にもチェックしていただいた。また、最終的に提出用として、1,200字に収めるのはなかなか大変であるが、あれも言いたいこれも言いたいといった欲張りで暖味な研究計画書は概して好まれない。また、過去の自己体験中心の記述は必要以上に書かないほうがよい場合が多い(あくまで計画(←未来)であるので)。そういった点も含めて、高橋先生にどんどん相談し、自分よがりの内容や書き方に陥らないように、何度も軌道修正しながら、願書提出期限の1週間前には完成している体裁を整え、余裕を持って提出するように万全に準備されたい。私がギリギリの焦燥感タップリ提出だったので、以上は後悔の弁である。

専門科目試験の対策について

指導してもらいたい教授の著書、論文を、図書館やアマゾンなどで入手する。これは、研究計画書作成と並行して行うことになるだろう。代表的な著書や論文と、最近5年ほどの間に新たに発表された著書や論文も購入する。最初は目次だけ見て、自分の研究計画書に必要であろうと思われる箇所や、その教授が強く訴えているキーワードを含む項目を通読(通覧)し、その後で全体を読む。その際、ノートを取りながらとか、線引きをしながらとかはしないで、とにかく最後まで完読する(鳥瞰的に全体を捉える)。2回目に読むときにラインを引いたり、わからない用語、重要だと思われる用語を調べたりするためのノートを作成してもよいと思う(私は面倒臭がり屋だし、時間がなくてしなかったが)。また、当該の著書、論文等の引用文献・参考文献にも目を通すこと。

以上のことをした上で、あるいは並行して、過去問題を解いてみる。論述の場合、指定字数の9割は埋められるようにすると良いが、間違ったことや学術的に意味の薄い個人的経験論の羅列的記述中心の解答はマイナスである場合もあるので注意されたい。私の場合、最も役立ったのは、高橋先生の講義・ゼミであった。高橋先生の問いかけに自分なりに『反応』しながら『聞く(聴く)』、『発言する』、『対話する』ことを繰り返していくとかなり力がつくと思う。自分の研究内容と直接的に関係しない内容であっても、何がしかの意見を持てるように、あるいは、質問できるように講義、ゼミに参加すると良いと思う。他者の研究内容や他領域のことに対して質問をする態度と能力は、院生として研究者として大切な態度と能力の一つであると思うし、自分の研究内容を多角的に検討することが可能となる。また、どんな質問をするのか、その質問の内容で、その人の学術的レベルはもちろん、どういう思考・視点・問題意識を持っているのかがわかるし、自分自身でそれらを再認識することができる。『質問』のやりとりは、する方もされる方も双方にメリットがあるのではないだろうか。中ゼミでは、積極的に恥をかこう!(試験本番で恥をかかないために!)

英語の試験対策について

これも各大学院によって内容、レベル、試験での取り扱い(合否資料としての位置)などが異なるし、学力の個人差や勉強方法の適不適もあるので、過去問題分析と同時に、中ゼミの資料にあたったり、高橋先生や中ゼミの英語の先生(教育系の院志望の場合は小杉先生がおススメ!!)に相談しよう!

まずは、過去問題を解答してみて、その時点での自分の実力を確認し、試験当日までの学習計画をおおまかに逆算的に作成してみよう。基本的な単語熟語は、『試験に出る英単語』、『ターゲット単語1900』などで十分であると思われるが、専攻に関わるジャーゴンが出題される場合は、過去問題からピックアップしたり、市販の専門英単語集などを通読しておくと安心材料が増えるであろう。

東京大学大学院教育学研究科の英語は、全コース共通問題なので、極端にマニアックな専門用語としての英単語はあまり出題されていない(←過去問題で確認されたし)。試験合否に関わる英語の位置づけは、東大院(教育学研究科)の場合は、様々な噂があるが、試験初日に実施され、足切りとして利用されるらしい。カットオフポイントは非公表であるが、最低でも7割だとか、いやいや8割だろうとか、点数化しないでABCランク付けだろうとか、様々な囁きを聞く。合格者の談では、多くの人が8割から9割以上の得点(採点基準も非公表なので、あくまでも自己採点なのだが)であったようである。英文問題は、英単語数は少ないし平易な英文で、試験時間も長いので、基本的な語彙力と文法知識があれば大丈夫。しかし、学術論文風に小慣れた和訳(翻訳)を求められるであろうと思う(私見)。具体的対策としては、私の場合は、中ゼミの小杉先生の添削英語だけで十分だった。あとは、ターゲットとシケタンを試験直前期に通覧して、訳せなかった単語をチャックしたり、中ゼミ友達と過去問題を訳しあってみたりした。東大院英語の場合は、前述したように、『合否の門』としての位置づけであるので、足切りに引っかからなければ良いわけで、逆にそれに満たなかった場合は2日目の専門科目、3日目の口述試験でかなりの挽回努力が必要となる(という噂)。

口述試験について

服装はスーツなどが無難である。東大の場合も、ほぼ全員スーツであった。就職試験などに行けるような服装で行けばよいと思う。早朝から集合場所に参集し、待機することになる。待機中は、他の受験生の様子を観察したり、時間があれば大学内を散策(迷子になって指定された時間に間に合わないなんてことにならないようにしましょう)したりして、自分なりに適した方法でリラックスしましょう!私の場合、3人目だったので、あっと言う間に面接が始まった。一人目の人も二人目の人も5~6分で終了だった。私も5分ほどの簡単なものであった。受験生が多人数だったので、長い人でもせいぜい10分くらいであったろうか。受験番号と名前を言った後、着席し、修士出たらどうするの?今までは何してたんですか?(働いていたので、職務内容について聞かれた)、志望動機は?と聞かれただけ。研究計画書に関しては、担当教官が、『ん…』っと意味深に首を傾げながら、『これって、〇〇〇について、やりたいなあ!って感じだけだよね~っ』と一言、独り言のように仰っただけで、何ひとつ内容などについて聞かれなかった。「落ちた!」と思った。しかしながら、始終和や雰囲気だったし、圧迫面接ではなかった。

口述試験前日には、専門科目試験の自己解答内容を反駁しておくこと、研究計画書の内容を再確認しておくこと、願書に提出した志望動機なども再確認しおくこと、指導教官の著書を通覧しておくことなどをしておき、旨いものを食べ、ゆっくり入浴して早めに就寝した。

教授訪問(研究室訪問)について

教授訪問(研究室訪問)は、大学によって、あるいは教授によって、または時期によって、歓迎される場合とそうでない場合があるので、十分に注意されたい!!!ここで失敗すると大変なことになるので、細やかな神経で行動したほうがよい。東京大学の場合は、歓迎されないということはないが、超多忙な教授の場合、なかなか会ってくださらない(会えない)ことが非常に多い。

教授訪問の最大の目的は、自分を売り込む(?)とか試験を有利にするためとかではない。自分の研究したい『問い』と研究の『対象』や『手続き』が当該大学院、当該教授に受け入れられる可能性があるかどうかを確認するためにあると思う。したがって、大筋でよいので、研究計画の大題と粗方の内容くらいはペーパーにして持って行くと話もしやすいし、無駄足に終らないであろう。ただ単にお会いして、曖昧な相談をしてくれるヒマな教授はそうそういないと思う。メールアドレスを公開している場合は、丁寧な文章でご挨拶を送ることから始まる。しかし、1日に数百通のメールを受信する教授もいるので、返信が数日後に届くとは限らない。または手紙で同じ様なことをしても良い。(今のご時勢、逆に、自筆の手紙のほうが目立つ、かも知れない)。手紙やメールを出す際は、大学のホームページなどで大学の行事なども確認し、忙しいであろう時期ははずしたほうがいいだろう。年度初めや年度末、夏休み前の試験期間中、年末年始、1月2月の大学受験期などなど。しかし、これも教授によって事情が異なる。最近、学科長や学部長などの要職についた教育や学会の要職者も多忙極まりない状態であることを念頭において慎重に(嫌われないようにね!)行動したほうが良い。また、確固たる研究意思と内実を持たないで研究室訪問することは、危険であることもある(入試前に不合格??!!!)。

とにかく、研究室訪問のあり方は、大学や教官の数だけあると言っても過言ではないほどなので、教授にアポを取る前に、中ゼミのスタッフや高橋先生や然るべき人に事前に相談して、お忙しい教授に失礼ないかどうかを認識して訪問すべきであると思う。服装はスーツなどが無難であると思う。手土産などは一切不要です(だと思いますが)。私の場合は多忙な教宮であったので、手紙を出して、なしの飛礫で、研究室訪問はしなかった(できなかった)のだが、たまたま大学で教官をお見かけして、思い切って声をかけ、口頭で研究内容についてのご意見をいただいた。立ち話で正味1分くらいであったろうか。大学や教授にもよるが、研究室訪問があまり意味をなさないところもあるし、受け入れないところもある。逆に必須である研究室もある。こういった情報は、大学内部に知り合いがいない限りわからない場合が多いので、中ゼミスタッフに相談したり、資料を閲覧したり、高橋先生はじめいろんな先生に聞いてみよう。皆さんがんばってください!

「会社員からの教育系大学院受験」

鳴門教育大学大学院学校教育研究科学校教育専攻合格
上越教育大学大学院教育専攻学校教育専攻合格
兵庫教育大学学校教育研究科教科領域教育学専攻合格

教育系大学院受験の指導ができる、土日中心に大学院の授業がある、研究計画書の指導を何度も受けられる、ということで中ゼミを選びました。私の場合は会社員からの受験であり、教育学も初めて本格的に学ぶという立場でしたので、勉強する時間が確保できるのか、本当に大学院を受験できるだけの力量が身につくのか、という不安はありました。

教育系大学院クラスでは、熱心な先生の指導のもと、膨大な資料の読み込み、教育・社会問題についての意見交換、他の学生の研究計画書の検討など、見る・聞く・話す・書く、という授業方針が私にとっては思った以上に効果がありました。年齢も職業も各自それぞれの学生が在籍されていたので、多方面からの考えを吸収することができましたし、常日頃より教育に関心が向き、知識を得ることが楽しくなっていきました。そして同じ目標を持った仲間ができたことで、受験は大変心強いものとなりました。

また、社会人と受験生活の両立の一番の難点は、資料収集・情報収集の時間がなかなか取れないことでした。自分の計画書に合った文献を探すには時間がかかります。ほかにも大学院に関する色々な情報収集の必要があります。過去問を解くにも下調べが必要です。とにかく計画性を持って動かなければ何も進まないので、受験までの期間は休んでいる暇が無いほど充実した日々となりました。

研究計画書に関しては、先生と何度も面談をし、根気よく指導していただきました。課題意識を明確にして試験に臨めたことは、面接時の質問にも自信を持って答えることができましたし、今後の院生活の礎にもなることでしょう。